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2017.08.30 Wednesday

ハードではなくハート

JUGEMテーマ:音楽

 

オーディオにハマったのは、高校生の頃だ。当時バイトで貯めたお金で初めて買ったのはフォステクスのフルレンジスピーカーだ。それを手作りのラックスのアンプとCECのプレーヤーで。ビルエバンスのピアノがまるでそこでなっているかのように聞こえたのは今でも忘れられない。その後は少しずつ買い換えて、二十歳の時にはJBLのD130というフルレンジスピーカを長岡さんのバスレフの箱で鳴らしていた。もっぱら聞いていたのはJAZZ。中学生から聴き始めたJAZZのレコードは相当な数になっていた。

60年代のビバップ、マイルス、ロリンズ、コルトレーンにくると少しずつヨーロッパのfree jazzの流れに惹かれていった。

その頃は、JAZZ以外の音楽は必要ないとまで思っていたものだ。クラシックを理解するにはそれから10年の歳月を必要とした。

仕事が忙しくなった人生半ば、その合間を必死でぬってジャズクラブに通った。そして日本の錚々たるジャズメンの演奏を撮影した。

その頃はライブの音しか僕には必要なく、家には安い簡単なコンポだけだった。

再びオーディオに熱が入ったのは40代後半からだ。大学時代の先輩である文筆家でジャズ評論家の山口孝さんの本を読んでからだ。

「あなたのオーディオはゴンゴンなっていますか?」この言葉にやられてしまった。

ゴンゴン鳴る。まさにジャズとはこうなのだ。体に共振する響き。プレイヤーの心とイマジネーションの響きが音となり僕の耳から体から入り込んでくる。そして僕の心臓と共振して、ある時は涙さえ出てくる。まさに音楽とは心なのだ。波動なのである。

このどうにもできない感情の高ぶりは音楽にしかない。頭なんか要らない。

僕は広告などをかじったものだから、昨今の音楽全般を聴くし楽しもうと絶えず努力するが、電気的な音楽だけは今もって受け入れることができない。心が共振しないからだ。アンビエントミュージックは撮影の時に場の空気を優しくしてくれるから聴くことはある。しかし、魂は揺さぶられない。

今使ってるオーディオは、1960年代のJBLのスピーカーと手作りの管球アンプだが、写真のスピーカーにはやはりJBLのD130が使われている。あの頃耳に焼きついたサウンドは、あの時代のJAZZと共に未だに僕に染みついている。

JAZZという音楽はもう終わっているという人もいるし、それはある意味そうだとも思う。しかし、レコードに刻まれたその魂のスウィングは未だに僕の心に響き渡る。これだけは真実なのである。アナログとかデジタルということではない、何か。それは写真にも言える。表現のハードは重要だが、もっと重要なのは心の揺らぎであり、作者から滲み出る気持ちの動揺だと感じる。

ハードではなくハートなのである。

 

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