ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< July 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 肖像写真室 | main | もう直ぐ上棟です。 >>
2020.02.28 Friday

hidden landscape

 

新型コロナウイルスが世界で猛威をふるい始めた。テレビもネットも話題はそれ一色である。当然だと思う。これは人類が自然界から突きつけられた挑戦なのだから。

ぼくは、その専門でもないので、ここで聴きかじった情報から安易な結論を書くことはできないし、そのような立場にもいない。自分自身も、テレビなどの情報からただただ不安を感じるだけである。

そんな時に、ふと自分の作品が頭に浮かんだ。最近はすこし撮影をサボっているが、ここに掲載した作品である。

hidden landscapesと名付けた作品で、霧で何も見えない風景を撮影したものだ。

この写真は阿蘇山の麓。ある時、ピーズランドシリーズの撮影として、海だけではなく地平線も撮りたくなり阿蘇に出向いた。ところが天候は生憎の悪天候である。まあ、飛行機に乗ってせっかく来たのだからと、カメラを立てて霧が晴れるのを待つことにした。

約2時間がたったが一向に天候は回復しない。同じように観光に来た人たちが、この真っ白い風景にカメラを向ける人間を不審そうに見つめている。

その時に、少しだけ霧が流れて下の方に美しい荒涼とした風景が見えた。ぼくはなんとも言えない気持ちの昂りを感じて、シャッターを切った。この風景は美しい。何故だろうか。

何も見えないことは、ある意味残念だが、その霧の後には晴渡った素敵な風景が必ずやってくる。いや、現に今、霧の後ろ側には風景はあり続けている。だから、ぼくは霧が晴れるのを待っていた。しかし気がつくと、ぼくはその霧の風景を美しいと感じていた。見えないことの不安や恐怖と、見えないことをそのまま受け入れることの落ち着き。両方があった。だが、自然相手に自分の小さな器量で何を求めて偉そうにカメラを立てているのだろう。今この時、この自然を素直に受け入れてみよう。そんなことを一瞬に考えたのだ。

その日から、晴れても曇っても雨でも、むしろ見えないことを願って作品を制作した。そのシリーズがhidden landscapesである。

今、世界はまさに霧の中である。一刻も早くこの霧が晴れることを願うばかりだが、かといってこの自然の脅威に慌てふためいて騒いでも致し方ない。医療や化学、社会、経済、それぞれの専門分野の方々を応援しつつ、今の生活や大切にすべきもをもう一度見つめ直してはどうだろうか。ぼくは、霧は必ず晴れると信じていいる。

 

コメント
コメントする